2014年2月16日日曜日

イカルチドリ Charadrius placidus

 本県では留鳥として生息し、越冬期には各地の中小河川や水田、池などで見られている。繁殖は相模川、酒匂川とその周辺でほぼ毎年記録されている。河口部より中流域や上流部で観察されることが比較的多く、他のチドリ類と異なり海岸干潟ではあまり見られない。
 河原の砂礫地で営巣する。雛は孵化後しばらくすると歩きだし、親が雛を連れ出し巣を離れる。雛は自分で水際の石の間などから水生昆虫を捕食する。外敵等の接近時は親は翼の下に雛を隠し、外敵が去るまでじっとしている。繁殖期にはピッピッピッ・・・・・と甲高く大きな声を出し、上空を旋回しながら縄張りを宣言する。地上にいるときは雌雄がピュという小さな声を出しあう。冬季は若鳥が数羽で中洲などの石の間で休息する姿を見かける。

 神奈川県では、繁殖環境である河川敷の砂礫地の草地化や樹林化により減少傾向にあることや河川敷への車や人の侵入、カラスなどによる捕食が減少の要因となっていて、繁殖期準絶滅危惧種、非繁殖期も注目種に区分された。