2013年8月3日土曜日

ヤマセミ Ceryle lugubris

  
 留鳥として全国の渓流や湖畔に生息する。本県では相模川以西の山間部に生息し、繁殖しており、愛川町、相模原市、山北町、松田町、小田原市、箱根町で記録があった。近年、過去に見られていた県東部の観察は報告されていない。
 土の崖に穴を掘り、巣を造るが、本目録(2001~5年版)ではこの繁殖行動の目撃例はなかった。水に突き出た枝からホバリングして獲物を見つけた後、ダイビングして魚を採る。岩の上などから魚を狙う場合には、じっと水面を見つめていて時々、尾をピクッと上げる。捕えた魚は振り回したり、枝などに叩きつけてから頭から呑み込む。食べた物の一部をペリットとして吐き出す。
 神奈川県では、各種開発により、繁殖に適した崖地が減少傾向にあり、とくに、上流部における砂防ダム建設による法面被覆や林道建設などの影響は大きいと思われる。また、写真撮影による人的攪乱の影響も考えられるとして、繁殖期・希少種に区分された。


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