2013年10月17日木曜日

コガモ Anas crecca

 少数は本州の山地や北海道で繁殖するが、主に冬鳥。本県では他のカモより早く9月から渡来し、個体数も多く、5月頃まで滞在する。渡来当初のエクリプス羽は雌雄の識別が難しい。秋の群れは大きいが、徐々に群れは小さくなっていく。各地の川や池に分散して生息する。
 岸の草に隠れて休むことが多い。石に付いた藻類や水面を流れる草の種子などを食べる他、泥を濾し取るような採食もする。野外観察では何を食べているかが分かりづらく、食べたものを特定した例は少ないが、ガマの穂を食べた観察例がある。1羽または少数の雌の周りを雄が取り囲んで、頭を胸につけた後上に伸ばし尾を上げる求愛ディスプレーが見られる。雄は、短くピリッ、ピリッまたはピッピッと鳴くが、求愛行動で雄がヒューヒューとか、ピーピーキーと鳴くのが観察されている。
 亜種アメリカコガモ A.c.carolinensisの雄が稀に記録されている。2000.12.23酒匂川富士道橋、1992.03.15相模川社家水道橋の例などがある。